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脳神経外科2022年09月13日 投稿

脳梗塞

脳梗塞は脳血管障害(脳卒中)の一つで、脳血管が突然閉塞して血流が途絶え、脳組織が壊死する病気です。閉塞した血管の灌流する脳の機能が障害され、運動障害(片麻痺など)、感覚障害、言語障害(失語症など)が起こります。脳梗塞は、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他(動脈解離など)に分けられます。心原性脳塞栓症は、心臓の病気(心房細動、弁疾患など)が原因で血栓が形成され、血流で脳に運ばれて脳血管を閉塞して起こります。血流再開がないと、血管の灌流領域に大きな梗塞が形成されますので、意識障害が見られて麻痺などの神経症状も重篤です。アテローム血栓性脳梗塞は、頸動脈や頭蓋内脳動脈の動脈硬化症(アテローム)が進行して血管閉塞を引き起こして発症します。狭窄の進行に従って灌流圧が低くなってくると、さまざまな側副血行が発達します。そのため、血流再開が得られなくても閉塞血管の灌流域全体には梗塞が広がることは稀で、同じ血管が閉塞しても心原性脳塞栓症より軽症です。ラクナ梗塞は、穿通枝の閉塞による深部の径1.5cm以下の小さな梗塞です。しかし、梗塞が錐体路(手足の運動を伝える経路)に起きると高度の麻痺が出現します。

診断には、MRIの拡散強調画像で脳梗塞の有無と広がりを、MRAにより閉塞血管を確認します。血流再開により症状改善の可能性があれば、血栓溶解療法や血栓回収療法が選択されます。ASLなどによる脳血流評価も大切ですが、超急性期治療を選択する症例では、早期の血流再開が回復に直結しますので、神経症状評価とCTで内頸動脈閉塞の可能性が高い場合には、直ちに血栓回収療法を行う場合もあります。

超急性期治療としてt-PA静注療法があり、発症後4.5時間以内に治療開始が可能な場合に行われます。脳梗塞の病型に関わらず実施できますが、手術の既往、内臓疾患や血液検査結果などに細かなチェック項目があります。血栓回収療法は、発症後8時間以内の脳梗塞で、t-PA静注療法の適応外や無効であった脳主幹動脈(内頸動脈や中大脳動脈基部)が閉塞しており、脳梗塞になっている範囲が、血管閉塞による血流低下領域のごく一部である場合に、血栓を血管内より特殊な器具を用いて回収する治療です。主に心原性脳塞栓症に行われます。ともに脳梗塞に陥っている組織に血流が再開されますと、出血を引き起こしますので、正確な診断による的確な症例選択が必須です。

急性期治療以降の薬物治療は、心原性脳塞栓症では抗凝固療法、アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞では抗血小板療法が行われます。また、外科的治療は、アテローム血栓性脳梗塞の頸動脈狭窄症には頸動脈内膜剥離術や頸動脈ステント留置術、内頸動脈や中大脳動脈閉塞症には血流検査により症例を選択してバイパス手術が行われます。また、心原性脳塞栓症のうち、心房細動によるものには左心房の閉鎖が、卵円孔開存によるものには孔の閉鎖が血管内手術などにより行われています。

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