後縦靭帯骨化症・黄色靭帯骨化症
椎体後面にある後縦靭帯、あるいは椎弓内外側にある黄色靭帯が骨化して、神経圧迫症状を生じる病気で、日本人に多く見られます。明確な原因は不明です。
頚椎靭帯骨化症では手指のしびれや痛みで発症し、指先の細かな動きの障害を呈するようになります。進行すると感覚・運動障害が四肢に及んで筋萎縮も伴い、膀胱直腸障害もみられるようになります。
胸椎黄色靭帯骨化症では、両下肢の感覚障害から発症して、両下肢の痙性麻痺、膀胱直腸障害を呈するようになります。軽微な外傷により重篤な四肢麻痺、対麻痺をきたすことがあります。単純X線、CT、MRIで診断します。
無症状の方では経過を観察します。神経症状が顕著な場合や、保存的治療で改善しない場合には手術適応になります。
頚椎後縦靭帯骨化症では、範囲が狭い場合は頚椎前方より骨化巣を摘出し固定します。広範囲なものには頚椎後方より椎弓切除あるいは形成術を施行して脊柱管を拡大します。
胸椎黄色靭帯骨化症では、脊髄圧迫症状があれば手術対象になります。椎弓を切除し、骨化した黄色靭帯を摘出します。
いずれも、手術適応が適切で、神経の減圧が十分であれば改善が期待できます。