定位脳手術
細い管を脳深部の目標点(視床下核、淡蒼球内節、視床など)に正確に到達させて行う手術で、パーキンソン病、頑痛や一部のジストニアに有効です。以前は、電気凝固・破壊していましたが、最近では電極を植え込み、高頻度の電気刺激を加える脳深部刺激療法が一般的に用いられます(①定位脳手術フレームを頭部に固定しMRIを撮影することによって手術部位の座標値を計算する、②局麻下に頭蓋骨に小穴を開けて電極を植え込む、③挿入した微小電極による電位記録と電気刺激を行う、④X線撮影とMRIで電極位置を確認する、⑤胸部皮下にパルス発信器を植え込む)。
本態性振戦(ふるえ以外の症状はみられません。文字を書こうとする、コップを持つなどすると、強いふるえがみられる病気です)やパーキンソン病に対して、メスを使わないで目標点を凝固する集束超音波療法(超音波のエネルギーが、焦点に集束して組織に吸収されると、焦点位置における組織温度を急上昇させ、凝固壊死をもたらします)も行われます。