脳神経外科2022年09月16日 投稿
神経血管減圧(減荷)術
脳幹部からの運動性神経根出口部や知覚神経根進入部は、乏突起膠細胞のつくるミエリンとシュワン細胞がつくるミエリンの移行帯となっています。この部を血管が慢性的に圧迫すると、神経刺激症状が生じます。
これに対して外科的に血管と神経を離し圧迫を解除すると症状が消失しますが、これを神経血管減圧術と呼びます。血管と神経の間に軟らかい人工コットンを入れる方法や、責任血管にテープを巻いて硬膜に貼り付けて移動させる方法があります。片側顔面痙攣(前下小脳動脈、椎骨動脈が責任血管)や三叉神経痛(上小脳動脈が責任血管)が対象となります。
他の治療として、前者ではボツリヌス毒素療法、後者ではカルバマゼピン、定位放射線療法、局所神経ブロックなどがあります。