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脳神経外科2022年09月16日 投稿

レビー小体型認知症

レビー小体という異常な構造物が脳の様々な部位(大脳皮質、扁桃体、マイネルト核、黒質、青斑核、縫線核、迷走神経背側核など)に蓄積して発症します。レビー小体はαシヌクレインという線維性蛋白質が凝集した円形の構造物で、神経細胞が変性して神経細胞が脱落します。

中心的特徴は、「正常な社会及び職業活動を妨げる進行性の認知機能低下」として定義される認知症で、病初期には顕著で持続的な記憶障害は必ずしもおこらない場合があり、遂行能力や問題解決能力の低下が目立ちます。
中核的特徴としては、注意や覚醒レベルの顕著な変動を伴う動揺性の認知機能障害、具体的で詳細な内容の繰り返し出現する幻視、レム睡眠行動異常症、特発性パーキンソニズムがあります。また、指標的バイオマーカーとして、SPECTやPETで示される大脳基底核におけるドパミントランスポーター取り込み低下があれば、アルツハイマー型認知症との鑑別が可能です。しかし、進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症などのパーキンソン症状を呈する類似疾患との鑑別はできません。MIBG心筋シンチグラフィで心臓交感神経の機能低下を確認することで、レビー小体認知症と診断できます。支持的特徴としては、CTやMRIで側頭葉内側は比較的保たれ、脳血流SPECTにて後頭葉に血流低下が見られ、脳波検査で後頭部の著明な徐波活動がみられます。

治療には、様々な症状への対症療法が行われます。認知障害にはドネペジル、幻視・行動異常を伴う精神症状にはドネペジル、抑肝散、非定型抗精神病薬(クエチアピン、リスペリドン、オランザピンなど)、うつ症状にはドネペジル、SSRI/SNRI、レム睡眠行動異常にはクロナゼパム、ドネペジル、パーキンソン症状にはレボドーパが投与されます。

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