脳神経外科2022年09月16日 投稿
片側顔面痙攣
片側の下眼瞼部から始まり口角へと筋肉が痙攣して、目が閉じてしまい、口角が外上方向に持ち上げられます。目を強く閉じたり、口を尖らせたりすると誘発されます。MRIでは脳幹部の顔面神経出口部分が動脈(前下小脳動脈、椎骨動脈など)で圧迫されている所見がみられます。動脈瘤や脳腫瘍が原因のこともあり、MRIによる画像診断は欠かせません。
症状が悪化すると、美容上だけでなく精神的苦痛にもなります。
治療として、ボツリヌス毒素療法や神経血管減荷術が用いられます。前者は対症療法であり、繰り返し局所注射の必要があります。後者は根治療法ですが、全身麻酔下の開頭術を要します。効果は限定的ですが、必要な時のみに精神安定剤や抗痙攣薬を使用する場合があります。