脳神経外科2022年09月16日 投稿
聴神経腫瘍
内耳道内の前庭神経の鞘細胞から発生する良性の腫瘍です。中年女性に多く、片方の難聴や耳鳴りを初発症状として緩徐に悪化しますが、突発することもあります。
腫瘍が発育すると周囲の脳神経症状を圧迫して、めまい、顔面のしびれや麻痺、ふらつきがみられるようになります。
診断にはMRIが必須ですが、本腫瘍を疑った撮影条件で撮影しないと、小さな腫瘍を見逃すことがあります。大きさが3 cmを超えると開頭して腫瘍を摘出しますが、3 cm以下の場合にはガンマナイフなどの定位放射線療法も選択されます。ともに顔面神経機能や聴力の温存を目指した工夫がなされています。